💛💛 とんこさんのコラム 💛💛
「わらべうた 」
当合唱団では、幼児から小4ぐらいまでの子供たちは、わらべうたで遊びます。
子どもたちは本当にわらべうたが大好きです。
わらべうたは子供の遊びであり、音域も狭くシンプルな音列ですが、その中には子供が(発達上)要求するものが全て含まれています。
子供は気に入ったわらべうたがあると、何十分でも飽きずに遊びます。又は何ヶ月も同じ遊びをやりたがります。 その中で、歌いながら遊ぶという行為を通して、子供達は様々なこと学び、身につけていきます。
歌いながら遊ぶという行為は、いわゆるマルチタスク(複数の課題を同時にこなす)です。通常、マルチタスクは難しい課題です。大人もなかなかできませんよね。
子供達は歌いながら、遊びのルールを理解し、小さい子を気遣い、時に勝ち負けにこだわり、時にみんなが楽しめるようルールを工夫し、そして音程やテンポ感をみんなで合わせていく、という高度な課題に挑戦しています。
そしてその中で興奮したり、小さい声で歌ったり、早く歌ったり小声で歌ったり、音楽を形作る要素にも自然に触れていきます。
大人は、様々なことに目配りしながら、子供の主体的な遊びを保証します。 そして、少し大きくなった子供達は、わらべうたを合唱作品にしたものをうたいます。 アカペラ(無伴奏)です。
アカペラ合唱は、とても高いスキルが必要な演奏形態ですが、わらべうたで遊んだ子どもたちは、比較的スムーズにできてしまいます。まるで魔法です。
そこから、西洋の古い合唱作品などにも取り組み、少しずつ、時代や範囲を広げていきます。
幼児が効率的に音楽の素養を身につける方法は、たくさんのよく考えられた方法がありますが、わらべうたは本当に万能です。
大人の作為も、子どもの創造性にはかなわないということでしょうか。
文:後藤朋子先生